畳んだ状態約6.5cm
刃長約5cm
重約25.5g
刀身刻印Bi Languedoc(フランス南部大区)
柄刻印Métaux divers(貴金属)
ソングホール(紐通す穴)付
フランス南部地方ラングドック(Languedoc)で手作りの万能小型折り畳みナイフ。爪やすり付く珍しいタイプ、銀柄の手打ちによる優美流麗なロココ調の植物紋様(ヤドリギ)の意匠が特に評価に値する。当時余程の良家娘の愛玩に違いないだろう。ベル・エポック「良き時代」の典型的な装身具。特筆すべきダメージも無く、状態良好。
19世紀の折りたたみフルーツナイフと言えば、マザーオブパールの鞘が定番だが、銀柄のナイフは珍しい。しかもレリーフはとても力強く美しい。薄っすら黒錆の浮かぶ、3本のスチールブレードが展開するとなかなか使えるナイフとみえる。鉛筆ぐらいなら問題なく削れる。
宿り木:寄生性常緑樹。地に根を張っていないにもかかわらず一年中青々とした姿を保つことから、ケルトの伝説では「不死・活力・肉体の再生」を現すシンボルでヤドリギが寄生した木には、神が宿っていると云われている。他にも、「雷除け」、「魔除け」など様々な伝説がある、クリスマスの時期、宿り木の下を通れば幸福になれると、家の玄関口に飾られれいる。